peep pea poop

知人への生きています報告 あるいは将来的な墓標

帰り道のはじまり

イスタンブールまでまた3時間強、飛行機に乗る。隣の席は若いドイツ人の女性で、一人旅らしい。今回の便は13000円ほどだった。ドイツとトルコは存外に近い。私たちに比較してみると、乗客がほとんどフィリピン人のセブ航空に乗ってフィリピンに行くようなものか。

 


空港での出来事を回顧してみる。

車の中で急いで取ったこの2時半の便、しばらく空港の掲示ボードにもカウンターにも現れなくて焦った。キャンセルされた11時半のものと3時半の便は表示されていたからなおさらだ。空港を間違えたのかと思った。

 


チェックインはオンラインで出来たがバゲッジドロップには手間取った。本来荷物預け入れの、カウンターがキャンセル便の乗客対応に当てられていたからだ。担当として分かっていそうなのは1人だけで、ヘルプであてがわれたであろう空港スタッフはとくに要領を得ず、混んでいるのに手持ち無沙汰にしている。

 


便がキャンセルになってカウンターに並んでいるのは飛行機に不慣れであろう人たち、ウェブサイトの言語がわからない人たちだろう、話が食い違っているのか、カウンターのスタッフが早口で説明する声が大きくなる。

 


やっと別のカウンターに当該航空会社スタッフらしき人物が現れて、大量の荷物を持ってダウンを着込んだトルコ人たちの列が動き出した。私の荷物は飛行機持ち込みもできるサイズのスーツケースなのでどう頑張っても10キロ前後だろうと思っていたのだが、16キロを叩き出していた。南ドイツワインを買いこんだからか。引っ越し前の挨拶で渡すのにちょうどいいと思ったらものだから。

 


チェックインが終わったらあとはスムーズだった。1人になって気楽なものだ。荷物検査は搭乗ゲート前にあって興味深い。

 


免税店には普段寄らないが、ビジネスバッグ店がセールをやっていて、100ユーロの値段がついたロンシャンの大きめのトートバッグを買った。今は薄汚い格好をしているが、いざ仕事のときには一見して量産型出張中ホワイトカラー属性になれる。木は森に隠す。同業者に埋もれることができそうで喜ばしい。

 


あとは、今思うと、ロンシャンの横にTUMIが幅広く展開してあったので、そこでつれあいに通勤用バックパックを買えばよかった。彼は4月から新しい仕事に就くのに、まだぼろぼろのバッグひとつしか持っていない。ドイツ国内でもクリアランスセール中だったし、思いつかなかったことが悔やまれる。トルコやドーハでもセールをやっていないだろうか。ビジネスバッグは難しいかもしれない。日本でも普通に買えるが、ショッピングモールにいくのもネットで吟味するのも億劫なのでこの機に見つけられるといいのだけれど。